STARSETの全米ツアー「STARSET LIVE US TOUR DIVISIONS : 2019」(9月13日~11月1日)に36公演セカンドアクトとしてまわるHYDEは10月2日(水)、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスにあるライヴハウスRegent Theater(約700人動員)のステージに立った。日本時間では10月3日(木)となる。
南カリフォルニアにある大都市ロサンゼルス。映画やテレビ産業の聖地ハリウッドがあり、パラマウントピクチャーズ、ワーナーブラザーズ、ユニバーサルなど映画スタジオの舞台裏ツアーに参加することもできる。ディズニーランドや、サンタモニカのビーチスポットなど、観光スポットも目白押し。グリフィス天文台からは夜景も見ることができる。HYDEがアメリカ拠点とする街。ファンがライヴ参戦をするのにも、日本から近く感じられる場所となるだろう。
このツアー全35公演のうち15公演目。ロサンゼルスは2019年春のHYDEヘッドライン公演でチケットソールドアウトを打ち出していた場所。セカンドアクトのHYDEの機材転換時からHYDEコールがあがっていた。鼓動の高鳴りに合せたようにドン・ドン・ドン・ドンと、SE音がリズム良くフロアに響く。下手側から5人が登場。HYDEの姿を目にしたファンは悲鳴のように甲高い歓声を大きくあげた。
hico(key.)のキーボードがピアノの音色でイントロに入った。「WHO’S GONNA SAVE US」からショーはスタートを見せる。Ali(Ba.)がハンドクラップを煽るとオーディエンスが即座に応える。セットリストは6曲。HYDEががなり声で力強く歌い、全身の力いっぱいに気迫を込める。“HANDS UP It’s going down”からはオーディエンスが声を重ね、合唱へと発展していった。センターモニターに左片足を掛けてヘッドバンギングから始めたのは「AFTER LIGHT」。“We will never ~ ” からの合いの手をオーディエンスが入れ、ハンドクラップが起きる。もうセカンドアクトだからといっても盛り上がりは止められない。日本でHYDEが有名なのは本当のことなのだと音楽関係者は感じてくれただろう。ギリギリの緊張感で走ってきたギブ&テイク。日々盛り上げて成功には導いてきたものの、今夜の盛り上がりは一味も二味も違う。HYDEらしさをファンが最高潮に引き出してくれる。HYDEも身を委ねて15公演の中でもひと際楽しそうだ。「SICK」ではShuntaro Kado(Dr.)がドラム上に立って煽り、Yas(Gt.)とHYDEは日本文化歌舞伎の連獅子のようにヘッドバンギングを横振りでパフォーマンスして見せた。心地よいグルーヴが包み始めて3曲目。オーディエンスの盛り上がりは白熱したものに変わっていった。ラップを拡声器を通して歌うHYDE。オーディエンスは“our problems”とレスポンスを返す。
「ANOTHER MOMENT」で恒例となったコーラス練習。HYDEがこのショーの中で話す言葉は全て英語。「誰が僕たちと歌ってくれますか?歌を知らないって?問題ないよ!僕たちが教えてあげるから」と伝えると歓声が起きる。“Wow Wow! ”とコーラスを合せて曲に入った。ジャンプを煽るHYDEに、オーディエンスがジャンプして応える。「MAD QUALIA」の盛り上がりは一体感をさらに呼んだ。オーディエンスから “Need to let go!”の声が大きく響く。この曲を目当てにやってきたと伝わる大合唱。HYDEが髪の毛を掻き毟ると歓声があがる。フロアに降りたHYDEはセンター中央の1柵目に向かい、1段踏み台に上がってオーディエンスに上半身を埋めた。HYDEの左手に深紅の薔薇が握らされるハプニングがあったが、その子に返して、笑顔で煽りにかかる。“Wow Wow, Wow Yay!”とコーラスを引き起こして盛り上げた。
「ORDINARY WORLD」が始まると2輪の薔薇がステージ上にオーディエンスから投入された。床に落ちてきた薔薇に驚き両手を「なんで? Oh My Gosh!」とジェスチャー交じりに伝え、左手で拾い取り握って歌った。VAMPS時代の「VAMPIRE’S LOVE」の演出で、薔薇を持ち歌ったことがある。それを覚えていたファンが、用意してくれていたのだろう。歌に入り、HYDEが右手を大きく左右に揺らすと、スマートフォンに光を灯して同じようにファンが左右に揺らし始めた。やがてデュラン・デュランのカバー曲は大合唱に変わり、オーディエンスを1つにまとめ上げた。普通の日常が今日も訪れるようにと、1人ひとりに向け、祈りを込めてHYDEが歌う。国境を越えてみんなが1つになれるこの曲を最後に届け、HYDEはセカンドアクトのステージを終えた。HYDEを見に、遠方から来てくれたファンがたくさん居ることを心に刻んだHYDEは、去り際に投げキッスを四方に向けて多数飛ばし、感謝を伝えて姿を消した。
[SETLIST] 01. WHO’S GONNA SAVE US / 02. AFTER LIGHT / 03. SICK / 04. ANOTHER MOMENT / 05. MAD QUALIA / 06. ORDINARY WORLD
SNSでの書き込みに見られたのは、STARSETを見に来ていた人たちが、HYDEのファンのために前を譲ってくれたという話だった。見終ったら入れ替わって場所を戻す。Tシャツにリストバンドを身に付けた装いはファン同士に譲り合いの交流を生み出していた。STARSETのサポートアクトとしてHYDEが招かれたとはいえ、この15日間を日々確りとサポートしてもらえて来たのはHYDEの方だった。日本人、海外から来たバンドはたった1組、HYDEだけになるのだが、オープニングアクトを務めるA BRILLIANT LIE(ア・ブリリアント・リー)はHYDEの転換時に機材搬入を手伝ってくれていたり、サードアクトのPalisades(パリセーズ)はスタッフがHYDEの映像をSNS投稿してくれていたり、STARSET(スターセット)はロサンゼルス公演で自身の映像のアップを控えるなど、本当にHYDEをアメリカで受け入れようとする想いが熱いくらいに伝わってきた。生かされていることに感謝して進みたい。
続くHYDEのライヴは10月4日(金)、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコにあるライヴハウスThe Regency Ballroomを会場に開かれる。日本時間では10月5日(土)、ドアオープンは10時。オープニングアクトのショースタートは11時ごろからとなる。
このツアーでHYDEをサポートしてくれているのは、Yas Nomura / 野村 康貴(Gt.)、Ali / 森泉 アリ(Ba.)、Shuntaro Kado / かど しゅんたろう(Dr.)、hico / 堀向 彦輝(key.)の4人。逸材揃いのパフォーマーの演奏も重ねて楽しみに来て欲しい。
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