ワールドワイドに活動する日本のロックデュオVAMPSが4月から始めた2017年のライヴツアー「VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD」。11月5日(日)の千葉・幕張メッセイベントホールを会場に、ツアーファイナルを迎えた。
8カ月で国内外(日本・北米・南米)をまわる全38公演(他、北米ゲストアクト全12公演+フェスなど全16公演、総計全66公演)は、ホームを大切にするVAMPSらしいスタートを切る。4月19日(水)にVAMPSファンクラブVAMPADDICT ONLY(神奈川・CLUB CITTA’川崎)としてファーストライヴを行い、5月に北米ツアー、6月に国内ライヴハウスツアー、7月8月にミュージックフェスなどに出演、9月から再び国内ライヴハウスツアーを挟んで北米ツアー、10月に南米ツアーを行い、帰国後凱旋公演としてアリーナツアーをまわった。
公演ラストの幕張メッセイベントホールはVAMPSが幕張メッセの施設の中では初めて使うホールで、独立した建築のドーム型ホール。ボックス席を含めて総固定客席数4860席、アリーナオールスタンディングでは約10000人が収容できるホール会場となる。3階まであるホールは上階最後列まで目一杯のファンで埋まった。
ショーのスタート時刻17時06分(16:66)に近づくと、ステージに降ろされた暗幕にタイムカウントが始まる。じわりじわりと迫りくるアンダーワールドへの誘いをブラッドサッカーズは固唾を飲んで見守った。暗転したショーの始まりに歓声が響き渡る。暗幕が開かれ、プロジェクションマッピングで投影される巨大なVAMPS城が姿を現し始まったファーストナンバーは「UNDERWORLD」。HYDE(Vo)が「Are you BLOODSUCKERS? Let’s go!」とあいさつを入れてファイナル公演は始まった。「INSIDE OF ME」では拡声器を片手にHYDEがフロアを煽り、K.A.Z(Gu)はステージサイドに置かれたパトカーのルーフに立って、ギターを搔き鳴らす。荒らされ、壊れ、錆びついたパトカーが、ステージサイドに左右で2台、置かれていた。
「LIPS」の後でHYDEが「最後、悔いのないようにいこう。楽しませてもらうからな」とフロアを煽る。「BREAK FREE」ではコールアンドレスポンスがフロアから起きた。曲間にはペットボトルの水を頭からかぶり、緩やかにヘッドバンギングをするHYDE。髪から飛び散る水しぶきを浴びてフロア前方のブラッドサッカーズから黄色い声があがる。ヘッドバンギングを終えたHYDEは乱れた髪をオールバックにして撫でた。「Would you bleed for me?」と言葉を投げかけて始まったのは「BLEED FOR ME」。K.A.Zが奏でるミドルテンポでヘヴィなギターサウンドが曲の妖艶さを際立てる。軍帽をかぶり玉座椅子に座るHYDE。悩ましそうに歌う姿は、ミュージックシーンを情景にして劇のように見せた。「CALLING」では特攻が爆裂。青白い炎がステージ上にあげられた。フロアはHYDEの煽りに応え「CALLING」と歌う。フロアが一体となった。
HYDEが「この後しばらくないから。色々まわって最後なんだから、ここが一番カッコよくなくちゃ!本性見せてくれよ!カッコいいところ見せてくれないと成仏できないよ?最後なんだから、成仏させてくれよ!どうしてアリーナがオールスタンディングなのか解るよな?有効活用しようぜ!」と煽る。
MCでK.A.Zは、「UNDERWORLDっていう素晴らしいアルバムができて、みんながその曲を覚えてくれて騒いでくれてね。本当にありがとう。みんながいてくれるから、こんなに盛り上がってこられたと思います。今年はこれでVAMPSの活動は最後になりますね。最後まで暴れて行ってください。では、よいお年を!」とツアーを振り返った。11月上旬に年末のあいさつまで終わらせてしまうK.A.Zのマイペースさにフロアは爆笑。ほっこりとした柔らかい空気に包まれた。
HYDEはMCで、「長いような、短いような感じでした。みんなありがとうね。みんなが来てくれて、こうやって顔が見られて嬉しい。みんな、可愛いなって思う。今日は楽しませてもらいました。ありがとう。しばらく会えないけれど…、みんな(俺たちのこと)忘れんなよ!」と一抹の寂しさを伺わせた。
「みんな、アレ点けてくれる?」とスマートフォンのライトの点灯を促すHYDE。アレで伝わるブラッドサッカーズとのツーカーの仲も披露。約10000の光が揺れて始まったのは「SWEET DREAMS」。HYDEもまた、自らのスマートフォンのライトを点灯して揺らした。間奏からはステージからフロアを動画撮影するHYDE。その光景を心に焼き付けるかのように情景を残した。
引用元:HYDE公式インスタグラム
全19曲、ラストには「SEX BLOOD ROCK N’ROLL」。HYDEは、「もう、しばらくないから!少々ぶっ壊れても構わねぇよな?最後が一番カッコよくなきゃいけないんだよ!」と煽る。弾ける笑顔満開のブラッドサッカーズ。飛び跳ね、腕を振り上げ盛り上がり、熱のこもるフロアは乱舞でフィニッシュ。ステージ上からフロアの光景を眺め、名残惜しそうにいつまでも感謝を伝えてまわるHYDEとK.A.Z。真っ赤な薔薇がフロアに撒かれ、ピックを最後の1枚まで全て撒き尽くした。ステージからフロアをバックにHYDEとK.A.Zがスマートフォンで自撮り。その後も、腕を高くあげ、何度も何度も手を振って、ありがとうを伝える2人。幕間に入る直前、「ありがとう!また会おうな!それまで、首を洗って待ってろよ!」とHYDEは言葉を残して姿を消した。
終演後のSNSは、ファイナル公演に参戦したブラッドサッカーズからVAMPSへの、感謝のコメントで溢れかえった。「本当にカッコよかった。ありがとう」「一生ついて行きます!」「これで終わりなんて言わないで、まだ追加公演をしてほしい」「鳥肌が立つくらい音が良かった。感動した」など、公演の良さに想いが心に納まりきらず、感激を伝えたいとする感動に満ちたものばかりだった。
VAMPSの2017年のライヴは終りを告げた。ツアータイトルに掲げられたVAMPSの4枚目のアルバム『UNDERWORLD』は、海外の有名プロデューサーを招き、作りあげた渾身の1枚。たくさんのブラッドサッカーズに愛され、ライヴを通し育てられてきた。他バンドのファンが集うフェスの中でもVAMPSのサウンドは一目置かれ、日本の中でも外タレと言ってもらえるほど、音に磨きをかけることができた。この1年のVAMPSの変化は、ライヴに足を運び続けたブラッドサッカーズにも、1度のみライヴに参戦したブラッドサッカーズにも、分け隔てなく確りと伝わったことだろう。万が一、このツアーを逃してしまったブラッドサッカーズが居たとしても、VAMPSの存在を今知って次のライヴから参戦したいと思っている人が居たとしても、VAMPSは誰一人置いてけぼりにすることはない。この2017年のライヴは映像の販売が既に決定している。12月6日(水)のLIVE DVD & Blu-ray『VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD』発売を楽しみに待っていて欲しい。現在は予約受付中(UNIVERSAL MUSIC STORE、VAMPROSE STORE)。
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